レンタルサーバーの用語には転送量というものがあります。
「転送量って何?」という感じの人が多いのではと思いますが、携帯電話やスマートフォンの「通信量」と同じです。
サイトを閲覧するたびにサーバーから閲覧者のPCにデータを転送しますが、文字、画像、音声、動画などすべてのデータの総量がどれほどか、ということです。
表は月間の総量ですが、実際にはレンタルサーバー会社により1日あたりの総量を制限するところがあります。
多くの場合は、制限量を超えたらどうなるかを神経質に気にする必要はありません。ただ、なかには規定量を超えると閲覧できなくなる措置をとるところもあります。
具体的にどれくらいの量か?
たとえば、1000文字ある記事のページを表示すると、これだけで1KB(1000 Byte)です。もし画像が1枚あると、大きさにもよりますがたとえば30KBとします。画像は文字の情報に比べるといかに大きいかがわかります。動画はもっと増えます。
ここでは記事に書かれた文字だけに注目しましたが、実際にはHTML(Hyper Text Markup Language)タグというものがすべて付きます。HTMLだけで書かれたwebサイトはもちろん、WordPressでも他のCMSでも同じです。HTMLタグの目的は、一言で表現するとwebページを構成するためです。すべてのwebページは例外なくHTMLというwebブラウザ用の言語で書かれています。
WordPressで記事を書くときに、HTMLの存在を知らないかもしれませんが、WordPressの内部ではすべての記事をHTMLの書式に変換します。
HTMLタグの量がどれくらいかが関係しますが、元の記事の生の文章と同じ程度か、その数倍に増えることもあります。先ほどの例は、生の文章が1KBですので5倍で5KBです。
実はまだあります。
CSS(Cascading Style Sheet)は文字の大きさ、色、配置、背景色、段落書式(左右と上下のマージン、その他)などを行うための付随した情報です。たとえば段落タイトルの文字の大きさや配置を変えたり、色、長さと太さを指定したラインを引いたりできます。(今ご覧いただいているこのサイトではこれから設定します。)
この部分だけで、普通の長さの記事の数十倍、具体的には100KB近くまで膨らむこともあります。ただ、その全てを使う訳ではありませんが。仮に、ここでは全体の2割を使うと仮定すると20KBです。
これで、文字情報の部分を合計すると26KB程度まで膨らみ、画像の分を足して56KBです。
この記事を何人が閲覧するかで転送量を計算します。
100人 100 x 56KB= 5.6MB
1,000人 1,000 x 56KB= 56MB
10,000人 10,000 x 56KB= 560MB
100,000人 100,000 x 56KB= 5.6GB
ここまでは、あくまで机上の単純な計算です。
実際にどれくらい必要なのかが知りたいところかと思います。
個人の経験では、月間6000ページビューで約3.1GB(ギガバイト)で、これは管理人が所有するあるサイトの2019年10月下旬から30日間の生のデータです。1日あたりの平均は約103.6MBです。
先ほどの机上の計算例と比べると、1万人で560MBですが6000人では336MB=0.336GBですから、仮定した閲覧する量がまったく足りないことがわかります。10記事ならだいたい合う訳です。
ここで、問題はレンタルサーバーのプランで制限する転送量が現実に足りるかどうかです。
一覧表のプランで最も低い転送量は、月間で3GBです。先ほどの3.1GBと比較すると少し不足することがわかりますが、閲覧者がもっと増えるとたぶん足りません。
生データを提示したサーバーの転送量の限界は500GBです。(ちなみに、今ご覧になっているのは別のサーバーで無制限です。)
先ほど記したように、多くの場合は制限量を超えたらどうなるかを神経質に気にする必要はなく、すぐ閲覧できなくなるというものではありません。
これからレンタルサーバーをはじめて契約する場合は、転送量はあまり気にしなくても良いのではと思います。webサイトの人気が上がり、転送量が増えたらサイトを引っ越すことができます。